テーマは『戴冠式のランチ』
16世紀、ローマ教皇の戴冠式に参列した天正遣欧使節団がヨーロッパでうけたであろう、おもてなしの料理をイメージして作りました。
きっかけは、天草コレジヨ館で開催中の「新収蔵品展」を鑑賞したことです。
天草といえば「天草島原の乱」からのキリスト教の迫害の歴史を思い浮かべる方が多いかと思うのですが、実は、そのほんの20~50年前の中世の天草を知っていただきたいと思ったことでした。
五足のくつのコンセプトも「キリスト教が伝来した中世の天草」です。
そこでローマ教皇の戴冠式で彼らがおもてなしを受けたであろう料理を五足のくつ流に再現したいと考えたのです。
しかし、資料館「天草コレジヨ館」の玉木さんや出永さんにお尋ねして、お調べいただいても当時、どんな料理を出したのかという具体的な料理名は出てきませんでした。
しかし、食材目録が残っていることが分かりました。
講談社発行「天正遣欧使節」松田毅一氏著によると、16世紀、天正遣欧少年使節団はヨーロッパ中で歓迎を受け、厚くもてなされたそうです。モデーナ文書館にイタリアの貴族、フェラーラ公の賄帳と日用品帳簿に使節団のために揃えた食材目録が残っているそうです。
【賄帳・日用品帳簿によると】
魚類、菊芋、サクランボ、オレンジ、レモン、白ねぎ、白瓜、ブドウ・・・
生卵、塩、砂糖、アーモンド、シナモン、クローブ、胡椒、蜂蜜・・
塩漬豚肉、米、バター、チーズ、鳥肉、ウサギ肉、アヒル肉、イチジク・・・
今回の「戴冠式のランチ」はこの資料にある食材を使って五足のくつ流に料理をしました。
メインはチキンとポーク
中世のヨーロッパらしく、スパイスをふんだんに使った野生味溢れる肉料理です。
そして、スパイスを多用すること
といいますのも、15〜16世紀の大航海時代はヨーロッパ諸国がアフリカやアジアへスパイスを求めた冒険の旅でもありました。
天正遣欧少年使節団のための食材帳にもさまざまなスパイスが記載されています。
使節団は帰国後、豊臣秀吉にヨーロッパから持ち帰ったシナモンやナツメグなどのスパイスを献上したと伝えられています。
今回の「戴冠式のランチ」は16世紀のおもてなし料理には欠かせないスパイスを使って仕上げました。
チキンもポークも中世の肉料理をイメージして、豪快に!
まだまだ寝転んで食事をしていた16世紀の中世の肉料理をイメージしています。
しかし、チキンもポークも低温で2時間以上かけてじっくりと焼き上げますのでふっくら&やわらかです。漬け込んだスパイスが肉の旨味を引き出します。
🐔チキン
チキンを胡椒、ブラックペッパー、ターメリック、カレー粉、レモンなどに一日半ほど漬け込んで80℃の低温で2時間ほどかけてじっくりと火入れ。最後にグリラーで仕上げてお出しします
🐽ポーク
ポークに胡椒やブラックペッパー、ターメリック、レモンなどを揉み込んで80℃の低温で2時間以上、火入れ。ニンニク、生姜など香辛料たっぷりのタレで仕上げます。
🍚食事
独特の黄色とエキゾチックな香りのサフランライス
🥄デザート
天正遣欧少年使節団を引率したメスキータ神父が天草に伝えたと言われる南蛮柿(天草弁でイチジクのこと)のコンポート。シナモンをかけてお出しします
2023年7月14日までの限定ランチ(完全予約制)です。
ご予約をお待ち申し上げております!
👑戴冠式のランチ👑
*6月1日〜7月14日 11時30分〜14時クローズ
*お肉は一日半ほどスパイスに漬け込みますので、前日の15時までにご予約ください。
予約は五足のくつへ ☎️0969-45-3633
*一人前2,500円(税別)チキンかポークかご予約時にメインをお選びください
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