天草のキリシタンの歴史といえば「天草島原の乱」や「隠れキリシタン」といった悲しい歴史をイメージされる方が多いかと思います。実際、私も天草のことを勉強するまではそうでした。
その時代のことも大切ですが、私はその前の16世紀、キリスト教が伝わった16世紀の天草のことをもっともっと多くの方々に知っていただきたいと思うのです。
天草が世界に開かれ、
日本で最先端の文化活動が行い、
キリシタン文化を謳歌した華やかな時代ー
その16世紀の天草の資料を展示した『天草コレジヨ館』をご紹介します。
天草コレジヨ館
天草では、460年程前、ルイス・アルメイダ神父による布教が開始され、
瞬く間に島民のほとんどがキリスト教の信者となりました。
宣教師を養成する学校「コレジヨ」や
美術学校「セミナリヨ」が設置され、キリスト教の布教とともに
油絵の製作や指導、時計やオルガンの製作が行われていました。
また、天正遣欧少年使節団がヨーロッパから持ち帰った
金属活字印刷機「グーデンベルクの印刷機」による
天草本(ローマ字本)の印刷・出版なども行われました。
当時、天草は世界に開けた場所であり、
「日本で一番きらびやかで最先端な場所」だったのです
天草コレジヨ館は、そんな時代の天草を感じていただける資料館です。
ヨーロッパで最初に作られた日本単独の地図
志岐や久玉など天草の地名も見えます。
16世紀に天草の小さな村の名前が知られているなんて…
すごい!
グーテンベルク印刷機
天正遣欧少年使節団がヨーロッパから持ち帰った印刷機。
29種のキリシタン本が天草から世界に出版されました。
当時、ヨーロッパの出版部数は300~500部でしたが、
天草では平均1,500部!
世界に誇る出版事業が天草で16世紀に行われていたのです!
すばらしい!
木版印刷から活版印刷へ変わったことは今でいうIT革命のようなもの。その出発点が天草であったのです!天草はIT界でいうシリコンバレーのような存在であったのではないでしょうか!?
こちらがその天草本(複製)
現存するのは12種類のみ。イギリスの「大英博物館」などで
所蔵されています。天草本は、世界的な宝物なのです!
西洋古楽器(複製)
こちらも少年使節団が持ち帰った楽器の複製です。
当時の権力者・豊臣秀吉の前で演奏し、
その音色に聞きほれた秀吉が3度もアンコールをしたとか。
南蛮船模型
海を介して天草は世界とつながっていました。
南蛮船は天草にも往来し、世界に開いた場所でした。
天正遣欧少年使節の衣装
少年使節団の一行は、当時、日本の正装であった裃姿で
ローマ法王に拝謁する予定でしたが、
ローマ市民がその姿を大変不思議がり、笑う人もいたそうで
そのことを聞かれた法王が
彼らのために洋服を新調してくださったそうです。
これは1586年にドイツの新聞に掲載された使節団の
肖像画をもとに製作したものです。
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おすすめの資料館の見学の仕方は・・・
資料館の方と一緒に館内をまわってください! いつでも快く受けてくれます。そして、詳しく、丁寧に、楽しく説明をしてくれます!今は日本の端と思われている天草が、いかに世界に開けた場所であったのかを実感していただけると思います。
もし、お時間がとれないという方はDVDコーナーへ。五足のくつのオーナー山﨑は何度もこのDVDを見て、やる気と勇気をもらったのだとか。
天草のキリスト教の歴史をわかりやすくまとめてありますので
初めて天草を訪れるお客様はぜひご覧ください!
「私はローマを見た」という中浦ジュリアンの想いを知っていただきたいです。
*DATA*
天草コレジヨ館
住所)天草市河浦町白木河内175-13
電話)0969-76-0388
営業時間) 9:30~18:00(入館は17:30まで)
定休日)月曜(月曜日が祝日の場合は翌日が休み)
入館料)200円、高校生150円、小中学生100円
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