近年、たくさんの窯元さんがオープンしています。
天草陶石の白磁の窯元、天草の土を使った土ものの窯元…
春と秋には天草西海岸の約10の窯元による陶器祭り、
本渡周辺の窯元さんによる陶器祭り、
天草はもちろん全国から100近い窯元さんが集まった
『天草大陶磁器展』などなど、
器のイベントもたくさん開かれています。
天草陶石の島・天草にたくさんある窯元さんの中で、
天草で私がいちばん好きな窯元さん
『天草唐津 十朗窯(じゅうろうかま)』
天草西海岸の海沿いというより、海のとなり。
きっと、ここは日本でいちばん海に近い窯元さん!?
「海のそばだと風や気候によって窯が安定せず、
制作はなかなか困難な場所です。でも私は、海が大好き。
特にこの地は天草陶石の積み出し港だった場所ということもあり、
ここに窯を造ることにしました」
と奥さんで陶芸家でもある亀山早苗さん。
ご主人の亀山郷さんは東京出身。
唐津で修業され天草で窯をおこされました。
以前は『郷山亀』として東シナ海を見下ろす山の上に工房がありました。
移転するにあたって『十朗窯』と名前も新しくされ、
ガス窯に加え、登り窯も造られました。
火の加減が難しい登り窯は、苦労がある分、
仕上がりの美しさはあっというものがあります。
同じ釉薬を使い、同じ整形をした器でもまったく違うものに仕上がります。
灰がかぶり、変化する色ー
それはそれはアーティスティックな器です。
ご主人の造る器はどれも渋くて深みがあります。
使っていくうちに土がなじんで落ち着いてくる感があります。
奥様は主に絵付け担当。
ご主人がろくろで回された器に個性的で緻密な絵を描かれます。
夫婦合作の器もとても素敵です。
どれもひとつひとつ手作りの作品ですので
二つと同じものがありません。
ギャラリーの窓を開けるとそこは東シナ海!
海の声、波の音を感じることができます。
お茶室が設けられたギャラリーにはアートな空気が流れています。
天草唐津 十朗窯の亀山郷さんと早苗さん。工房の前にて
工房は海に沈む夕日の名所でもあります。
五足のくつ&伊賀屋でも十朗窯さんの器を使っています。
お茶碗や箸置き、カップ、花びん、平皿…
主にご主人の作品です。
十朗窯さんの器で料理をお出しするとお客様から
「どこの窯元さんの器ですか?」とよく尋ねられます。
そして、翌日には工房へ行かれているようです。
料理を引き立て、そしてそれ自体に光のある器。
それが十朗窯の特長ではないかと思います。
私が好きな蛇蠍シリーズのお茶碗。
この黒が織りなす絵柄。
アーティスティックです!
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